和柄アロハシャツ 【谷町アロハ&笑花 Walohana】のお店 ::: わろは本舗


■アロハのうんちく


アロハシャツの起源

アロハシャツはいつごろからあるのでしょうか。
日系人が持っていた着物をシャツに仕立てて着ていたのが起源という説が一般によくいわれていますが、それが本当なのかはよくわかっていません。
1930年代に、ホノルルの「ムサシヤ・ショウテン」という雑貨店がアロハシャツの新聞広告を初めて出したということが知られています。同じころ、中国系アメリカ人が「アロハシャツ」という商品名を商標登録しました。(これは後に、アロハシャツが世界的な流行となり、急速に一般名詞として認識されるようになっていったそうです。)
どうやら、ハワイを訪れた観光客向けのお土産物の商品として売り出したのが本当みたいです。
黎明期のアロハシャツに和柄があったのは事実で、日本(京都など)で作られた着物柄のプリント生地を輸入して作られていました。太鼓や宝船、富士山、虎などの異国情緒あふれる生地でアロハシャツを作ってみたらそこそこ売れてしまったということです。これがアロハシャツの始まりです。
 

柄のこと

和柄から始まったアロハシャツですが、ハワイの自然や文化をモチーフとした「トロピカル柄」も多く作られるようになり、素材やプリント方法との相性によって時代とともに移り変わっていきました。
和柄のアロハシャツは黎明期の30年代、オリエンタルブームの起こった50年代に多くみられます。
絵柄の配置にも独創的な工夫がされ、30年代に主流だった、柄がシャツ全体を覆う「オールオーバーパターン」、40年代には絵を大胆に縦に配置する「ボーダーパターン」、シャツ自体を1枚の絵に見立てた「ホリゾンタルパターン」は50年代、アメリカ本土では、背中に派手なデザインが施された「バックパネルパターン」や写真をプリントしたように見える「ピクチャープリント」といったインパクトの強いものが作られていきました。

トロピカルな柄で非常に印象深いのが「メニュー柄」です。ハワイ航路の豪華客船の中にあるレストランのメニューの表紙にはハワイの風景や生活が描かれていて、その絵を使って1940〜50年代に作られたのがメニュー柄。なかなかの派手さの中にも可愛らしさのある不思議な柄で、ヴィンテージアロハの中でも非常に人気が高いものとなっています。
アロハシャツは、ハワイが観光地として確立していくとともに、ハワイを象徴するファッションとなっていきました。

 

素材や製法

アロハシャツの生地には何が使われているのでしょうか。
ヴィンテージと呼ばれるもので最も人気があるのがレーヨン製のものです。主に1930年代から50年代に作られました。レーヨンは合成繊維ではなく、植物を原料とする天然由来の繊維です。ドレープが綺麗で、染料との相性がよく、プリントしたときの発色が鮮やかです。他に、麻やポリエステル、綿などの素材も見られます。
また、生地の織り方にも種類があります。
表面にレーヨン特有の光沢が現れる「レーヨン羽二重」、表面に凹凸のある「レーヨン壁縮緬」、絹の平織りの「富士絹」、富士絹に似たしなやかさの「レーヨンフジエット」、丈夫でざっくりとした素材感のホップサックなどがあります。
それらの生地に柄を印刷する方法は大きく分けて2つあります。
1つは「抜染」。地染めした生地を、抜染剤で柄の部分の色を抜き、同時に他の色で染めつける手法です。濃い地色と対照的な明るい色の組み合わせができ、鮮やかな発色となります。
もう1つは「オーバープリント」。淡い地色に強い色を重ねていく方法です。色を多く使え、境目の色の重なりによってグラデーションが美しく見えるのが特徴です。

わろは本舗で扱っているアロハシャツはさまざまな着物の生地から作られています。
代表的なものは「絹」(シルク)。絹から作られた「絞り」「襦袢」などの生地からアロハシャツを作ります。他には「綿」(コットン)、「麻」、「ウール」、「ポリエステル」などが使用されています。


参考文献:
  ヴィンテージアロハシャツ/枻出版社
  ヴィンテージアロハシャツブック「LAND OF ALOHA」/朝日新聞社
  定本ハワイアンシャツ/株式会社ワールドフォトプレス

About the owner

KOSAKU GODA

シャツ職人の父親と一緒にこの仕事を始めました。
父は、89歳(昭和7年生まれ)になりますが、いまだ現役でミシンを踏んでいます。
古着物が「着る物」として流通しなくなったと着物のリサイクルショップをする友人から聞き、シャツにしたら着れるかなと思い始めました。
古着物は、日本文化や歴史はもちろん、その人の歴史などいろんな想いや思い出なども入っているので取り扱うのに少し戸惑いもありましたが、大切な思い出をカタチに残すお手伝いができるこの仕事に魅力を感じるようになりました。
和柄には、季節や縁起、そして芸術的・伝統的技法など様々な要素があり、飽きることがありません。
わからないことも多いのですが、徐々に勉強していきたいと思っています。

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